ロシア帝国主義の狼煙?、意図的な領空侵犯の思惑は [防衛]


昔、東西冷戦華やかな頃、日本は極東地域の最前線で、旧ソ連を代表する「東側」と対峙して、一触即発の軍事的緊張が続いていた。

とまあ、見せかけとはいえ、人様に作られた平和を謳歌して、ひたすら自分達の金儲けに奔走していた日本人にとって、政府や自衛隊関係者、一部の有識者以外には、まったく関係の無い話だった。

今回の領空侵犯のニュースを見て、正直「懐かしい」と感じてしまった。

まず、ロシア側の機体が「ツポレフTu95」と言う爆撃機が、博物館に飾ってあるようなクラッシックな機体であり、また今回のロシア機のコースが、日本海から太平洋側を大回りにて、伊豆諸島沿いに北上して「首都」を攻撃する模擬訓練と、デモンストレーションに使われた、かつて「東京急行」と呼ばれた物だったからだ。

この「東京急行」は、かつての「定番」コースであり、日本側も、百里基地の第7航空団所属の「F4EJファントム」戦闘機で、スクランブルをかけて挨拶をした物だった。

ただ、お互い「訓練」とはいえ、敵の首都の攻撃とその防衛であり、一歩間違えて「交戦」ともなれば、行き着く果てに核兵器による全面核戦争による「相互確実破壊」、つまり人類全滅と言うシナリオが想定されていただに現場の自衛官(ソ連側の将校も)の緊張感やストレスは相当なものだったであろう。

この「東京急行」も、東西の緊張緩和「デタント」により1975年以降鳴りを潜め、ここにめでたく(?)33年ぶりの復活となったわけだ。

今回の領空侵犯に対して、ロシア側は「全面否定」という、これまたお馴染みの対応を見せたが、もしロシア政府が今回の領空侵犯を意図的に行ったとするならば、その真意は何であろう。

プーチン政権下、豊富なエネルギー資源を背景に、かつての「強いロシア」の府県を目論んでいるそのこうどうのひとつであれば、壊滅的だった極東地域でのロシアの軍事的プレゼンスを復活させ、日本に圧力をかけてこようというのだろうか。

潤沢なオイルマネーを背景に、極東ロシア軍が、かつての勢力を取り戻せば、日本にとっては「悪夢」の再来とも言える。

こういったロシア側の「軍政」復活の兆候はヨーロッパでも頻繁に起きており、最近もアラスカ付近で領空に接近してきたロシア機に対して、戦力化が成ったばかりの「F22ラプター」が初のスクランブルをかけるなどと、まさに冷戦時代に逆戻りしたような様相を見せている。

ただ、以前の東西冷戦のように米ソが軸での争いと言う事にはならず、中国やインドなどの成長著しい「大国」の思惑も絡み、今後枯渇してきた地下資源、食料などをめぐり、「血なまぐさい」争いが、複雑な力関係の中、繰り広げられるのであろう。

日本はかつて、国際情勢を見誤り、硬直した国策により無益な戦争に突入してしまい、多くの人々を犠牲にしてしまったと言う忌まわしい歴史がある。

かつての轍を踏まない為には、より広い見地で、先を見据えた確固たる国策と外交を展開していかなければ成らない。

「ロシアの脅威が増してきたので、高い戦闘機が必要になりました」などというような、矮小で安直な防衛政策を取るような事の無いように、国民として政府の行動を見ていかなければ成らないだろう。


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