大規模火災から人々を救え!日本にも大型消防飛行機を [飛行機]

「ウォーターボマー」という単語を聞いてピンと来る日本人はほとんどいないだろう。
アメリカなどは、大規模な山火事が起きたときなど、退役した輸送機や対潜哨戒機などの大型の軍用機を改造して、消化剤や水を散布する事の出来る「消防飛行機」を装備した民間の組織が有り、火災を水の爆撃で鎮火させるという意味で、その機体を水爆撃機、「ウォーターボマー」と呼んでいる。
何せ、アメリカはスケールが大きいので、例えば小型のヘリなどでちまちま消化剤など散布しても、それこそ「蛙の面に小便」となってしまい、役に立たないので、搭載量の大きい、大型飛行機が必要となる。
また遠隔地で広大な面積に延焼した場合、必ずしも消防車が到達できるとも限らないだろうし、消防飛行機の重要性は大きい。
では、狭い国土のわが国にはそんな大げさな物は必要ではないのか?
確かに、本当に必要ならとっくの昔に配備されて活躍しているはずだろう。
ただし、日本の場合、大型航空機を運用しようとすると、場所が限られ、しかも維持費が非常に高い。
自治体レベルでも難しい上、いくら政府の補助があろうとも、民間レベルでは絶対に採算が取れないだろう。
では本当に必要が無いかといえばそんなことは無く、特に激甚災害で、都市部などが広範囲に火災に見舞われた場合など、地上の交通網が遮断される、又は消火栓の給水が途絶えるなどしたときに、迅速に現地に駆けつけ、広範囲に消火活動を行える、大型飛行機による消火活動は必要とされるのではないだろうか。
こんな例えは適切ではないかもしれないが、あの「阪神淡路大震災」のとき、国産の大型飛行艇「新明和US1」を改造した大型消防飛行艇が、海面に着水しての給水と消火を繰り返しながら、沿岸部を重点的に消火活動していれば、多くの人命が救われていた可能性を否定する事が出来ない。
日本の場合、人口密集地域が沿岸部や、せいぜい数百キロ内陸に入ったところに偏在しており、日本の数箇所の飛行場や沿岸部の基地に配備しておけば、ヘリの2~3倍の巡航速度で現場に迅速に到着でき、当裁量も大きく、沿岸海域や湖沼を使えば繰り返し給水が効く消防大型飛行艇は、例えば救難物資の搬送、避難民や急患などの移送などにも使えることを考えれば、インフラが整っていない地域への救難活動や、大災害でインフラが途絶した都市部への救助活動に絶大なる威力を発揮するはずだ。
確かに機体や要員の整備維持には多大なコストが掛かる事は事実であり、我々の貴重な税金が使われるのだから慎重に検討しなければならないことだが、日本の「閉じられた不可解な利権まみれの」防衛予算の無駄使いを考えれば、見えない戦闘機を1機300億円出して買い漁ろうと考えるより、こちらの方が絶対有意義なはずだ。
また、泥沼のイラクに、「アメリカ軍の軍事援護」の為、給油艦や輸送機を出して援助して「国際貢献」と謀るのなら、大型災害で命の危険にさらされている人達を救うために、救難専門の精鋭部隊や装備を派遣した方が良いに決まっている。
そういった広い観点で考えれば、普段は使い道の無いとされる大型飛行艇での「ウォーターボマー」は、高い税金に見合う「価値の有るもの」として、正々堂々と予算を計上して、国民の理解を得られるのではないだろうか。
とまあ、このくらいの論陣をはれる骨のある政治家はいないんだろうなぁ。
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