新しい道路を作る予算で地方のバスを公営化出来ないのか? [雑感]

今地方都市の郊外や農村部は大変な事に成っている。
全体的な計画性も無く、三々五々に戸建、「夢のマイホーム」を立てて、「マイカー」による、公共インフラに頼らない暮らしを楽しんできたのはいいが、高齢化が進み、病気や老化などで自動車に乗れない人が急増している。
しかも「核家族」化のあおりで、子供は別に暮らしており、車に乗れないと、買い物や医者通いなどが不可能になり、生活が成り立たないと言う厳しい現実があるのだ。

そんなところに鉄道や、今流行の路面電車(LRT)などを通したところで焼け石に水で、あれだけ広い地域に散らばっていては何の役にも立たない。
更にマズイ事に、モータリゼーションの発達と引き換えに、地方のバス路線は壊滅的な状況で、とても使えるものではない。

最近繁華街に飲みに行くのに久し振りにバスを使ったが、それはとんでもなく酷い代物になっていた。
まず便数が少ないのでかなり待たされる、慢性的な交通渋滞で、時間通りに来ない。
1時間待たされて「運休かな?」と疑ったが、次の予定時間に更に15分遅れ来て、良く良く見たら、前の時間のバスが1時間15分遅れてきていたと判明、運転手に文句を言ったら「それがどうした」と言う表情で完全に無視され、「こんなもの二度と乗るものか!」となった。

近所でバスを良く使う人に聞いたが「そんなの当たり前だよ」と涼しい顔で言われたが、これでは確かにバスを利用する人がいなくなるのは当然だろう。
公共交通として、ダイヤが1時間単位で狂うのでは、インフラとしての役目を果たしていない。

しかも良く良く調べたが、自分の住んでいる地域で、特定の場所に行くのに、どのバス路線があって、どの様に乗り継いで、時刻表がどうなって、料金が幾ら掛かるのかさえまったくわからない。
このご時世、鉄道などネットや携帯で、案内機能で簡単にわかるのが当たり前の世の中で、バス会社のHPに、古めかしい一覧表があるだけで、簡単な検索機能さえない。

しかもバス路線が、開設された当時の路線をかたくなに守り通しており、それこそ40年前とほとんど変わっておらず、道や施設、繁華街など街の様相が大きく変わっているのに、まったく反映されていない。

これで、積極的にバスを利用しようとする人がいれば奇跡としか言いようが無い!。つまり、現状に即した経営努力を完全に怠っていると断言しても良い。

地方のバス会社は、自動車の発達で不採算路線が増加して、人件費も高いので経営が傾いているので、仕方が無いと言うステレオ的な話は耳にタコが出来るほど聞かされているのだが、少なくともしばらくの間、居住環境や生活環境の変化が無い限り、子供や高齢者など自動車に頼れない人々の交通機関はバスに頼るしかなく、「採算が取れないから」と言う理由で、公共交通を途絶させてしまって本当にいいものだろうか?。

ボクは、国民や住民のコンセンサスが取れるのであれば、たとえ採算が取れなくとも「税金」を投入してでも公共交通機関は存在させるべきだと考える。

ただし、この不況の折、「何でもかんでも」とは行かないのは当然だ。
そこで、過剰なモータリゼーションに頼った生活スタイルを根底から改め、自動車とそれを利用する産業の利便性だけを追及する事に終止符を打ち、「無駄な新しい道路」を作る予算を、「公営バス事業」に振り向ける事は出来ないのだろうか?。

無論往年の「国鉄」のように、政治家の選挙の道具にされないように、また行き過ぎた権利意識の過剰行使を生んだ「労働組合」に食い物にされないように、厳格な第三者機関による経営監査は必要であり、「住民サービス」を一番に考えた組織で有らねばならないのだが、20世紀的な発想で、自動車ありきで高速道やバイパス、立体交差などに使う巨額の予算や、地下鉄やモノレールなどの鉄道に掛かる莫大な建設費を考えれば、地方のバス経営から、やる気の無い中小私鉄会社を追い出して、本当に住人の利便性第一の公営バス事業を展開した方が、はるかに予算が掛からないのではないかと思う。

バスにはもっと可能性があるはずだ。路線の工夫や、ネットの活用、電子化、バスの車体そのもののローコスト化や斬新な形態へのチャレンジ、地方鉄道、路面電車との融合(DMV)化や、運行システムなど、やるべき事は幾らでもあるはずでだ。

だがそれらは民間企業の「収益優先主義」では絶対に実現する事は出来ず、こういう事こそ、行政が、政治が力を発揮して、「税金を投入してでも断行する」勇気と信念が必要になる。

だが国民一人一人が「核家族でマイホームでマイカーで豊かな生活」という、アメリカ型の過去の遺物的な幸福感に囚われていてはどうにもならない。
もはや過去の妄想的な幸福感と心中するのか、多少の不便を覚悟してでも新時代の発想で生き残りをかけるのか、待った無しの選択を鼻先に突きつけられているのではないだろうか。
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